しじみが二日酔いにいい理由とは?栄養素と食べ方のポイントを解説

お酒を飲んだ翌朝、「なんだか体が重い」「頭が痛い」と感じた経験はありませんか?
いわゆる“二日酔い”に悩まされる人は多く、その対策として昔から注目されているのが「しじみ」です。
この記事では、しじみが二日酔いにいいと言われる理由や、含まれる栄養素、より効果的に摂るための方法について、わかりやすく解説します。
しじみが二日酔いにいいと言われるのはなぜ?
しじみは、古くから「肝臓にやさしい食材」として親しまれてきました。
特に和食文化の中では、しじみの味噌汁が定番メニューのひとつですよね。
では、なぜ「二日酔いにいい」とされているのでしょうか?その理由は、しじみに含まれる栄養素にあります。
注目の栄養素1:オルニチン
しじみに含まれる成分の中で、特に注目されているのが「オルニチン」です。
オルニチンはアミノ酸の一種で、体内の「尿素回路」と呼ばれる仕組みに関わっています。
この回路は、体内にたまったアンモニアを処理し、体外へと排出する働きを持ちます。
お酒を飲むと、アルコールの代謝によって体内にアンモニアやアセトアルデヒドといった物質が生じるため、オルニチンが豊富な食品を摂ることは、コンディションの維持に役立つとされています。
注目の栄養素2:タウリン
しじみには「タウリン」も含まれています。
エナジードリンクなどにも使われている成分で、体内では胆汁酸の分泌サポートなどに関わっています。
飲酒によって負担がかかるとされる内臓をいたわる食品の一つとして、タウリンを含むしじみは、翌朝の体調管理に取り入れることを検討してもよいでしょう。
注目の栄養素3:ビタミンB群・鉄分
しじみには、ビタミンB2・B12などのビタミンB群も多く含まれています。
これらはエネルギー代謝に関わる栄養素で、疲れを感じたときのサポート役として知られています。
また、しじみは鉄分も豊富です。
お酒の飲みすぎは体調に影響を与える可能性があるため、鉄分を含む食材をバランスよく摂ることは、健康管理の観点から大切です。
科学的な視点でも注目されている「しじみと肝臓」の関係
近年では、しじみに含まれるオルニチンのはたらきについての研究も進んでおり、健康維持や栄養管理の分野で注目されています。
たとえば、「オルニチンが睡眠の質や疲労感に影響を与える可能性がある」といった研究報告が発表されるなど、栄養素としての可能性が検討されています(※)。
※出典:中村丁次監修「栄養成分の事典」(女子栄養大学出版部)ほか
ただし、しじみやオルニチンが「二日酔いを治す」といった医学的効能を保証するものではありません。
あくまで健康的な食生活の一部として、バランスよく取り入れることが大切です。
しじみの食べ方:おすすめは「しじみ汁」
しじみを手軽に摂れる代表的な方法が、「しじみ汁(しじみの味噌汁)」です。
煮出すことで、オルニチンやタウリンなどの成分が汁に溶け出すため、スープごと飲むことで効率よく摂取できます。
おすすめのしじみ汁レシピ
- 材料:しじみ(砂抜き済み)200g、水500ml、味噌適量、刻みネギ(お好みで)
- 作り方:
- しじみはしっかり砂抜きしてから使用。
- 鍋に水としじみを入れて火にかけ、口が開いたらアクを取る。
- 味噌を溶き入れ、軽く温める(煮立たせすぎない)。
- 器に盛ってネギを散らす。
冷凍しじみを使えば、時短&旨味アップも期待できるため、常備しておくと便利です。
サプリメントのメリット
しじみに含まれるオルニチンやタウリンなどの栄養素は、健康的な食生活の中で取り入れたい成分ですが、毎日の食事だけで必要量を補うのが難しい場合もあります。
そんなときに役立つのが、サプリメントです。
サプリメントは、特定の栄養素を効率よく摂取できる点が大きなメリット。
忙しくて食事で補いきれないという方や、旅行・出張時の持ち運びにも便利です。
また、オルニチンなどを一定量含んだ製品もあるため、栄養バランスの補助として活用しやすいのが特徴です。
サプリメントを飲むタイミングは、アルコールを飲む前がいいでしょう。
飲み忘れた時は、気が付いたタイミングで摂取しましょう。
体質や生活スタイルに合ったものを選び、摂取の目安量を守って利用しましょう。
しじみだけに頼らず、生活習慣の見直しも大切
しじみは、二日酔い時の食事としておすすめの食材ですが、「これだけ食べれば大丈夫」というものではありません。
お酒を楽しむ際には、適量を守る、こまめに水分をとる、空腹で飲まないなどの基本を意識することが、翌日のコンディションを守るうえで何よりも大切です。
しじみは“翌朝の不調対策”の心強い味方
しじみに含まれるオルニチンやタウリン、ビタミンB群は、飲酒後の体をやさしくサポートしてくれる栄養素です。
しじみ汁などで手軽に取り入れることができるので、二日酔いが気になるときは、ぜひ食卓に加えてみてください。
ただし、栄養素の力を活かすためにも、普段からのバランスのとれた食生活や、無理のない飲酒習慣を心がけることが一番の予防につながります。